ササヤキ彷徨の神殿

鳥はなぜ飛ぶ

Why Birds Fly
2005.03.16
「どうして走ってるの?」「走れるから」
鳥はなぜ、空を飛ぶのでしょうか?

まあ、答えはいろいろ考えられるかと思います。遠くまで移動できる、とか、天敵から逃れることができる、とか、ま、いろいろ。

ですが、そういった答えは、とりあえず今回の文脈からは外れます。

で、「鳥はなぜ飛ぶのか」と言えば、今回の文脈上の答えは、「飛べるから」です。

行動範囲が広くなって餌を手に入れやすくなる、とか、天敵から逃れやすくなる、といったことは、飛ぶことの「結果」として、後からついてきたものです。

地球には大気があり、鱗が羽になり、腕(前足)が翼になり、飛べるようになった。だから、飛んだ。

飛べるから飛ぶ、それが答えです。

生物が生きるということの基本的な原理は、「できることをする」です。自分の周り(=環境)から可能性を探り出し、できることがあるならそれをする。そうやって、生物は可能性を広げてきました。

そう考えると、「なぜ山に登るのか」という問いは、ある意味では愚問と言えます。

それができる可能性があるなら、登れる山があるなら、そこに登ってみる — 生物としては、ごく自然な行動です。

一見、人間だけが特別なことをしているように見えても、実は、生物としての基本に沿った行動だと言えるのです。

参考文献
[1]. 佐々木正人「知性はどこに生まれるか ダーウィンとアフォーダンス」
講談社現代新書
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