ポピュラスゲーム研究彷徨の神殿
第1部 分析

1. ゲームシステム概要

2004.11.15-2005.05.03
  1. ストーリー
  2. ゲーム画面
    1. ブック・オブ・ワールド
    2. クローズ・アップ・マップ
    3. インフォメーション・シールド
    4. 勢力ゲージ
    5. サイコ・フレーム
    6. コマンド・アイコン
  3. 勝利条件と人口
    1. 勝利条件
    2. 人口
    3. 人口の増減
  4. 民衆の行動
    1. 陣取り
    2. 合体
    3. 戦闘
    4. 集合
  5. 土地の造成と建物
    1. 造成
    2. 建物
  6. マナと奇跡
    1. マナの量
    2. マナの増減
    3. 奇跡の種類
  7. Conquest(征服)モード
    1. Conquestモードと面クリア
    2. マニュアルプロテクト
    3. 各面の設定
  8. ゲームの進め方

1.1. ストーリー

大いなる地に降りたつ二つの種族あり
意志の集合をもって大地を創造せん

空に太陽一つ輝くならば
地上に支配者はただ一人

見えざる野心という名の衣をまといしより隙生じ
かくして両者互いに旗を翻す

剣を交えること無数なれど未だ雌雄を分かたず
後世の者、この時代を指して神と悪魔の時代と呼ぶ…

                                「創世記」 —序章

…と、マニュアルに書いてあります。

要するに、「神と悪魔が互いの種族をけしかけて世界を征服しようとする」ゲームです。

対コンピュータ戦では、プレイヤーが神でコンピュータが悪魔と固定ですが、人対人の対戦もできて、その場合は神と悪魔に分かれて戦います。

つまり、神も悪魔も基本的にできることは同じです。

神自らが剣を振るって戦うのではなく、「自分の信奉者をけしかける」ってところが、このゲームのミソです。

1.2. ゲーム画面

右が、ゲーム中の画面です。

1.2.1. ブック・オブ・ワールド

左上の本の1ページになっているのが、ブック・オブ・ワールド (Book of World) 、征服しようとしている世界の全体図です。

神にとっては、人の住む世界など本の1ページに過ぎない、ってわけですね。

ここには、全体の地形だけでなく、人や建物などの各種オブジェクトも色つきの点で表示されます。

また、この世界全体の中の一点が、画面中央に拡大して表示されます。

1.2.2. クローズ・アップ・マップ

画面中央が、世界に対してさまざまな操作を行うためのクローズ・アップ・マップ (close-up map) です。

見ての通り、立体感を得られやすいクォータービュー (quarter view) 、斜め上からの視点になっています。

1.2.3. インフォメーション・シールド

敵・味方の人か建物どれか一つにマーキングをすることができて、その情報が画面右上のインフォメーションシールド (information shield) に表示されます。

上の画面では、右下の建物にマーキングをしています。右は、悪魔の民にマークした場合の例です。

1.2.4. 勢力ゲージ

インフォメーションシールドの左右には、神・悪魔それぞれの勢力を示す勢力ゲージがあります。

人口ゲージとも呼ばれます。なぜ「勢力=人口」かは後述。

上のインフォメーション・シールドを説明している画像の勢力ゲージは、悪魔の圧倒的優勢を示しています。

1.2.5. サイコ・フレーム

インフォメーションシールドの下に、中央上から右端へかけてレールのように走っているのが、マナの量を示すサイコ・フレーム (psycho-frame) です。

矢印が右へ行くほどマナが蓄積されていることを表し、矢印より左に並んでいる操作を行うことができます。

1.2.6. コマンド・アイコン

クローズ・アップ・マップの下には、ゲーム中に使うコマンド・アイコン (command icons) があります。

左側にはゲーム中に使うアイコン、右側にはゲームの設定を行うアイコンがまとめられています。

1.3. 勝利条件と人口

1.3.1. 勝利条件

勝敗を決める条件は、「敵を全滅させた方が勝ち」

言い換えると、敵の勢力ゲージをからっぽにすることが目的です。

1.3.2. 人口

このゲームでは、人同士が融合してより強力な人になることができます。

「人間同士が融合?こいつらアメーバか?」などと思ってはいけません。

このゲームにおける「人」は、「人の集団」を表現したものです。

つまりこのゲームでは、「勢力=人口」なわけで、それが「POPULOUS」(人口が多いことを表す形容詞。日本語には対応する単語はない)というタイトルの意味です。

この思い切ったモデル化は、見事です。多分、同じことを日本人が表現すると、ごちゃごちゃっとした「群集」になる可能性が高いと思います。それを「一人の人」にしてしまうあたりが、西洋人らしいモデル化センス、と僕は感じます。

1.3.3. 人口の増減

人口を増やすのは「建物での増殖」だけです。

人口を減らすのは、次の要因があります。

1.4. 民衆の行動

基本的に民衆は、自分の意志で勝手に行動します。

神といえども、「ここに住みつけ」などとピンポイントに命令することはできません。

ただし、どの行動を優先するかは、右の画像の、小さな矢印のついたコマンドで指定できます。

1.4.1. 陣取り

旗のアイコンで陣取りを指示します。

住み着ける平地があれば、そこに町を建設します。

まとまった平地ほど大きな町を建設することができ、一番大きな町はです。

1.4.2. 合体

人のアイコンは合体を指示します。

近くに味方がいれば、合体します。

戦闘は一対一なので、より強力な人を作った方が有利になります。

1.4.3. 戦闘

剣の交わるアイコンで戦闘を指示します。

近くに敵がいれば、戦闘になります。

どちらかが消滅するまで戦闘は続きます。

また、町へ攻め込んで勝てば、その町を自分達のものにすることもできます。

戦闘しながらの合体もあります。

1.4.4. 集合

十字架のアイコンで集合を指示します。

シンボル(上側なら十字架、悪魔側ならドクロ)を持った「リーダー」を作ることができて、集合を命じると、皆がリーダーに向かうようになります。

リーダーは、地上に設置したシンボルに向かいます。つまり、シンボルの設置によって向かう先をコントロールできます。

集合中は、町を作ることはありません。

1.5. 土地の造成と建物

1.5.1. 造成

土地の造成は、造成モードで、左クリックで盛り上げ、右クリックで掘り下げになります。

基本的な目的は、「平地を作って、民に城を建てさせ増殖させる」ことです。

逆に「敵の平地を荒らす」のが、奇跡の基本的な用途です。

1.5.2. 建物

建物(=町)の規模は、周囲の耕せる平地の広さで決まります。

ボロっちいテントから、立派な城郭街まであります。

立派な建物にすることには、次の利点があります。

1.6. マナと奇跡

1.6.1. マナの量

現在貯まっているマナの量は、サイコ・フレーム上の矢印の位置で示されます。

矢印から左にある奇跡が起こせるので、矢印が右にあればあるほど(マナが多いければ多いほど)、起こせる奇跡が増えます。

マナを使って起こせる奇跡は、左から順に「造成」「シンボル移動」「地震」「沼」「ナイト」「火山」「洪水」「ハルマゲドン」となります。

サイコ・フレームは、右へ行くほど1目盛り当たりの量が大きく、また、右にある奇跡ほど、多くのマナを消費します。

右の画像では、「火山」以下の奇跡を起こせます。

1.6.2. マナの増減

マナの増減は、人口が増えればマナも増え、人口が減ればマナも減ります。

また、奇跡を起こせばマナを消費します。

ゲーム全体としては、マナは増加していきますが、一方的に戦闘で負けだすと、土地の造成さえもできないところまで減少します。

1.6.3. 奇跡の種類

サイコ・フレームの左から順に、次の種類があります。

奇跡を起こすためには、同じデザインのコマンドアイコンを選択します。

1.7. Conquest(征服)モード

1.7.1. Conquestモードと面クリア

シングルプレイの基本は、500面を征服していくConquestモードです。

と言っても、500面全てをクリアする必要はなく、各面終了時にゲーム内容によって得点が表示され(奇跡を使った回数などで決まるようですが詳細不明)、それによって何面か飛ばして次の面になります。

少なくとも1つ先の面ということはなくて、大体3~8面ぐらい飛ぶようです。

1.7.2. マニュアルプロテクト

マニュアルがないとゲームができないようにすることを、「マニュアルプロテクト」と言います。

今でも、インストール時にCDキーを求められるものがありますが、これもマニュアルプロテクトに相当します。

で、この「ポピュラス」でもマニュアルプロテクトが使われていて、マニュアルのページの片隅に、盾とその名前が計16個印刷されています。

この盾の名前はそのまま面パスワードにもなっていて、800~815面をプレイすることができます。

1.7.3. 各面の設定

各面には、開始時の地形以外にもいくつかの設定があります。

1.8. ゲームの進め方

標準的なゲームの進め方は、以下のようになります。

序盤:城造り

まずは平地を作り、城を建てさせて人口を増やします。

マナが溜まらなければ奇跡も起こせないので、ただひたすら人口を増やす静かな立ち上がりになります。

中盤:奇跡の応酬

ある程度マナが溜まってくると、奇跡の応酬になってきます。

終結:ハルマゲドン

ハルマゲドンを起こすには、多くのマナを溜める必要があるので、かなり優位に立たないと起こせません。

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