大いなる地に降りたつ二つの種族あり 意志の集合をもって大地を創造せん 空に太陽一つ輝くならば 地上に支配者はただ一人 見えざる野心という名の衣をまといしより隙生じ かくして両者互いに旗を翻す 剣を交えること無数なれど未だ雌雄を分かたず 後世の者、この時代を指して神と悪魔の時代と呼ぶ… 「創世記」 —序章
…と、マニュアルに書いてあります。
要するに、「神と悪魔が互いの種族をけしかけて世界を征服しようとする」ゲームです。
対コンピュータ戦では、プレイヤーが神でコンピュータが悪魔と固定ですが、人対人の対戦もできて、その場合は神と悪魔に分かれて戦います。
つまり、神も悪魔も基本的にできることは同じです。
神自らが剣を振るって戦うのではなく、「自分の信奉者をけしかける」ってところが、このゲームのミソです。
右が、ゲーム中の画面です。
左上の本の1ページになっているのが、ブック・オブ・ワールド (Book of World) 、征服しようとしている世界の全体図です。
神にとっては、人の住む世界など本の1ページに過ぎない、ってわけですね。
ここには、全体の地形だけでなく、人や建物などの各種オブジェクトも色つきの点で表示されます。
また、この世界全体の中の一点が、画面中央に拡大して表示されます。
画面中央が、世界に対してさまざまな操作を行うためのクローズ・アップ・マップ (close-up map) です。
見ての通り、立体感を得られやすいクォータービュー (quarter view) 、斜め上からの視点になっています。
敵・味方の人か建物どれか一つにマーキングをすることができて、その情報が画面右上のインフォメーションシールド (information shield) に表示されます。
上の画面では、右下の建物にマーキングをしています。右は、悪魔の民にマークした場合の例です。
インフォメーションシールドの左右には、神・悪魔それぞれの勢力を示す勢力ゲージがあります。
人口ゲージとも呼ばれます。なぜ「勢力=人口」かは後述。
上のインフォメーション・シールドを説明している画像の勢力ゲージは、悪魔の圧倒的優勢を示しています。
インフォメーションシールドの下に、中央上から右端へかけてレールのように走っているのが、マナの量を示すサイコ・フレーム (psycho-frame) です。
矢印が右へ行くほどマナが蓄積されていることを表し、矢印より左に並んでいる操作を行うことができます。
クローズ・アップ・マップの下には、ゲーム中に使うコマンド・アイコン (command icons) があります。
左側にはゲーム中に使うアイコン、右側にはゲームの設定を行うアイコンがまとめられています。
勝敗を決める条件は、「敵を全滅させた方が勝ち」。
言い換えると、敵の勢力ゲージをからっぽにすることが目的です。
このゲームでは、人同士が融合してより強力な人になることができます。
「人間同士が融合?こいつらアメーバか?」などと思ってはいけません。
このゲームにおける「人」は、「人の集団」を表現したものです。
つまりこのゲームでは、「勢力=人口」なわけで、それが「POPULOUS」(人口が多いことを表す形容詞。日本語には対応する単語はない)というタイトルの意味です。
この思い切ったモデル化は、見事です。多分、同じことを日本人が表現すると、ごちゃごちゃっとした「群集」になる可能性が高いと思います。それを「一人の人」にしてしまうあたりが、西洋人らしいモデル化センス、と僕は感じます。
人口を増やすのは「建物での増殖」だけです。
人口を減らすのは、次の要因があります。
基本的に民衆は、自分の意志で勝手に行動します。
神といえども、「ここに住みつけ」などとピンポイントに命令することはできません。
ただし、どの行動を優先するかは、右の画像の、小さな矢印のついたコマンドで指定できます。
旗のアイコンで陣取りを指示します。
住み着ける平地があれば、そこに町を建設します。
まとまった平地ほど大きな町を建設することができ、一番大きな町は城です。
人のアイコンは合体を指示します。
近くに味方がいれば、合体します。
戦闘は一対一なので、より強力な人を作った方が有利になります。
剣の交わるアイコンで戦闘を指示します。
近くに敵がいれば、戦闘になります。
どちらかが消滅するまで戦闘は続きます。
また、町へ攻め込んで勝てば、その町を自分達のものにすることもできます。
戦闘しながらの合体もあります。
十字架のアイコンで集合を指示します。
シンボル(上側なら十字架、悪魔側ならドクロ)を持った「リーダー」を作ることができて、集合を命じると、皆がリーダーに向かうようになります。
リーダーは、地上に設置したシンボルに向かいます。つまり、シンボルの設置によって向かう先をコントロールできます。
集合中は、町を作ることはありません。
土地の造成は、造成モードで、左クリックで盛り上げ、右クリックで掘り下げになります。
基本的な目的は、「平地を作って、民に城を建てさせ増殖させる」ことです。
逆に「敵の平地を荒らす」のが、奇跡の基本的な用途です。
建物(=町)の規模は、周囲の耕せる平地の広さで決まります。
ボロっちいテントから、立派な城郭街まであります。
立派な建物にすることには、次の利点があります。
現在貯まっているマナの量は、サイコ・フレーム上の矢印の位置で示されます。
矢印から左にある奇跡が起こせるので、矢印が右にあればあるほど(マナが多いければ多いほど)、起こせる奇跡が増えます。
マナを使って起こせる奇跡は、左から順に「造成」「シンボル移動」「地震」「沼」「ナイト」「火山」「洪水」「ハルマゲドン」となります。
サイコ・フレームは、右へ行くほど1目盛り当たりの量が大きく、また、右にある奇跡ほど、多くのマナを消費します。
右の画像では、「火山」以下の奇跡を起こせます。
マナの増減は、人口が増えればマナも増え、人口が減ればマナも減ります。
また、奇跡を起こせばマナを消費します。
ゲーム全体としては、マナは増加していきますが、一方的に戦闘で負けだすと、土地の造成さえもできないところまで減少します。
サイコ・フレームの左から順に、次の種類があります。
奇跡を起こすためには、同じデザインのコマンドアイコンを選択します。
シングルプレイの基本は、500面を征服していくConquestモードです。
と言っても、500面全てをクリアする必要はなく、各面終了時にゲーム内容によって得点が表示され(奇跡を使った回数などで決まるようですが詳細不明)、それによって何面か飛ばして次の面になります。
少なくとも1つ先の面ということはなくて、大体3~8面ぐらい飛ぶようです。
マニュアルがないとゲームができないようにすることを、「マニュアルプロテクト」と言います。
今でも、インストール時にCDキーを求められるものがありますが、これもマニュアルプロテクトに相当します。
で、この「ポピュラス」でもマニュアルプロテクトが使われていて、マニュアルのページの片隅に、盾とその名前が計16個印刷されています。
この盾の名前はそのまま面パスワードにもなっていて、800~815面をプレイすることができます。
各面には、開始時の地形以外にもいくつかの設定があります。
標準的なゲームの進め方は、以下のようになります。
まずは平地を作り、城を建てさせて人口を増やします。
マナが溜まらなければ奇跡も起こせないので、ただひたすら人口を増やす静かな立ち上がりになります。
ある程度マナが溜まってくると、奇跡の応酬になってきます。
ハルマゲドンを起こすには、多くのマナを溜める必要があるので、かなり優位に立たないと起こせません。